2014年10月19日

ラウンダバウト

 ケータイにGPSがついているので迷うことがなくなった。
 電車の乗り換えもどう乗り継げば安くて早いのか一発で分かる。
 人と連絡をとりたかったら電話なりメールなりLINEすればいい。

 ひとりで不自由なく生きてゆける。歩いていて道を聞かれることはもうなんじゃないかな。誰かに世話にならず、誰の世話もしない。若い世代にはこの生き方が普通に見えている。今の時代の正しい生き方だ。

 いつでも切り離せる緩い関係だけがある。けれど、どこかで不足を感じている。まだそこまで心が適応できていない。確固なるつながりを夢想し、酸欠に喘いでいる。夢は夢、夢の中にしかないものだ。

 死の危険がなく、食べ物にも困っていない。状況は幸せなのに、満足を得られない。欲望には際限がないから? 当たり前の幸せは知覚できない。そのくせ、知覚できない幸せを脅かすリスクには敏感で、受け入れられない。

 幸せを知覚できないのをもったいないと思う気持ちが、もはや古いのだろう。どんどん幸せを取り込んで踏み台にする。そこから幸せと感じることに手を伸ばし、踏み台を高く更新してゆく。向上心、なのだろう。

 個人が幸せを追求すれば、多くの場合それは奪い合いになる。個人主義を極めた人間には他人の幸せを慮る能力がない。個人主義はこれからもっと加速する。幸せの交通整理をすべきなのだ。これは絶対に必要。

 人間の種類が増えて、全体の数は減る。
 幸せのマッチングがきちんとなされれば、減少は最小に抑えられる。
posted by clown-crown at 06:18| パリ | TrackBack(0) | グチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする